技術の進歩で近年のドローンでは小型で高性能なカメラを搭載し、長時間の飛行が出来るようになり、これまでは大型ドローンの持ち込みが難しかった山岳地帯でも容易に空中写真の撮影が出来るようになりました。
求められる画像の精度や使用するドローンやカメラの性能差により単位面積当たりの撮影枚数は様々ですが、1ha当たり100~500枚ほど撮影した画像を合成し、歪みのないオルソ画像を作成します。
作成したオルソ画像には、GPSやRTKから取得した位置情報が加えられますので、GISを用いた様々な解析の他、国土地理院地図やGoogle Map上に重ねることができます。
弊社では主に、これまで危険で歩けなかった場所の植生解析や地形解析に役立てています。
オルソ画像の応用として、比較的大型の鳥類であるツルやカモの調査を行っています。
上の写真はツルの塒(ねぐら)を撮影したものですが、マナヅルとナベヅル、その他カモ類の判別が出来る画像が得られています。
小型で高画質カメラを搭載したドローンを使用することで比較的静かに飛行することが出来、対象となる鳥類へプレッシャーを与えることなく羽数のカウントや塒に使用する場所を知ることが出来ます。
この他には、猛禽類の営巣環境を撮影し、周辺の植生や地形的特徴を捉えるなど、人の目では見ることが出来ない角度から撮影することで新たな知見が得られるようになったことは喜ばしいことですが、野生生物にプレッシャーを与えないことに留意することが重要で、撮影時期や時間帯を選んだり、画質が悪くても高高度から撮影するなど、技術的にはまだ発展途上にあるのかもしれません。
特殊な条件下に生育する植物や巨樹・巨木など、定期的に撮影を行い3D化することで、樹形や周辺環境の変化などを360度から記録しモニタリングすることができるようになりました。
0.5ha程度の比較的狭い範囲でしたら、500枚程の撮影で精細な3Dモデルを作成することができます。
これまでの崩壊地測量では命綱(親綱)を張って変化点に測点を設置したうえでヘロンを用いたり、トータルステーションを用いるとしても測点の移動などには常に危険を伴うような現場においても、ドローンを使用することで簡易的に距離や面積、体積が求められるようになりました。
具体的にはドローンで撮影した画像解析から点群データを作成し、使用するソフトにより精度差はあるものの、大まかな測量が出来るのもドローンのおかげです。